ネーミングライツの効果は？
～「ＱＶＣマリンフィールド」の呼称は定着しているのか？～
千葉マリンスタジアムは、QVCジャパン（キューヴィーシージャパン）がネーミングライツを取得し、2011年3月1日より「QVCマリンフィールド」の呼称となっている。
そこで【QVCマリン】と【千葉マリン】の呼称のどちらがより定着しているのかを調べるため、Twitterでのつぶやきをカウントしてみた。
カウントには「ツイポート（http://twport.com/）」を使用した。
調査期間は06/27(月)～09/04(日)。
この期間内に「QVCマリンフィールド」での「マツダオールスターゲーム2011」が07/23（土）に、「サマーソニック2011」が08/13（土）～08/14（日）に開催されている。
なお、千葉ロッテマリーンズの成績は、09/04（日）時点で、トップと20.0ゲーム差の5位まで落ち込んできている。昨年の、レギュラーシーズン3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズも制して日本一となった状況と比べると、メディア露出量に大きな落ち込みがあることは否めない。
さて、以下の図をご覧いただきたい。
調査期間中の日別の「対戦相手/スタジアム/試合結果/順位・トップとのゲーム差/開催イベント」及び【QVCマリン】【千葉マリン】ツイート数をみたものである。
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全体を通して、見えてきたことは以下の通り。
●【QVCマリン】【千葉マリン】ともにツイート数最大は「07/23のオールスターゲーム」の時である。
●「サマーソニック」の時はツイート数自体は必ずしも多くないが、いつもの「千葉ロッテマリーンズ・ファン」「プロ野球ファン」とは明らかに違う層が出現しツイートしている。
●ただし、過去10年「サマソニ」開催は「千葉マリンスタジアム」の名称であるため、【千葉マリン】でのツイートが多い。
●競り負け（引き分け含む）、大敗なども「ぼやき」のツイート数が増えやすい（ただし、負けが込んで来ると逆につぶやかなくなるファンも存在）。
●「QVCマリンフィールド」でのホームゲームのある日は、特に【QVCマリン】という正式呼称でのツイートが増加する（ファンによる実況中継など）。
●「球団広報等のイベント告知」や「そのイベント当日」で【QVCマリン】という正式呼称でのツイート数が増加する。
・特にツイート数が多かったのが「アイプリモプロポーズナイター」（始球式でのプロポーズを一般公募～09/03に実施）。ニュースサイトでも取り上げられていた。
・その他、「360°ビアスタジアム」「ブラックブラックナイト」「スペシャル花火」「オールドユニフォームシリーズ」などもツイートが多い。
●「イベント」時も、いつもの「千葉ロッテマリーンズ・ファン」「プロ野球ファン」と違う層が出現してきている（若年、女性、カップル客と思われる人など）。
●時間帯別には以下のような特徴が見られる。
・深夜は「前日の試合結果報道へのRT」
・朝～午後にかけては「球団広報の告知へのRT」「友人やファン同士の連絡・お誘い」「お天気の心配」など
・夕方は、観戦者による「QVCマリンなう」
・夜は「観戦者の実況中継」と「花火（観戦者だけでなく近隣の居住者・就業者も）」
●その他、以下に挙げる話題では、千葉ロッテマリーンズのオールドファンや、野球ファン以外の層での、【千葉マリン】でのつぶやきが増えている。
・サブロートレード報道と、ウグイス嬢（サブロ～～という独特なアナウンス）の話題
・伊良部元投手の自殺報道
・「#プロ野球観戦したことある球場」へのRT
・「#千葉あるある」
・「#2ch」の「サマソニでのダフ屋お笑いネタ」へのRT
総括すると、
ネーミングライツによりブランド認知・知名度を上げることが第一の目的であるならば、より多くの層にリーチする必要があることは間違いない。現状の「QVCマリンフィールド」呼称の定着度合いについては、千葉ロッテーマリーンズのコア・ファンには定着したと言えそうだが、全体としては「まだまだ」のようだ。
昨年の千葉ロッテマリーンズ快進撃のような状況は、そもそも毎年訪れるようなものではない。10年いや20年に一度あるかないかの奇跡に近いものだろう。
また、「オールスターゲーム」のQVCマリンフィールド開催も、5年に一度巡ってくるか来ないかといった程度のものである。
チームの好成績（によるマスメディア露出の増大）を待っているだけではなく、「野球関連のスタジアムイベント」を精力的に行なう、魅力的な「野球以外のスタジアムイベント」を創出する/誘致・企画する、といった努力がさらに重要になっていくのであろう。
今後有望なイベントとしては、まずは、来年以降も「サマーソニック」は呼称定着に有効なイベントでなろう。
そして、今回の調査期間内にも散見された「高校野球千葉大会」。地元密着型でもあるため、ツイート数以上に、呼称定着への効果は高いものと思われる。
なお、「Xリーグ（社会人アメフト）」「bjリーグ（プロバスケ）」も開催されているが、こちらについては、ハイシーズンになってから、また追って調査してみたい。
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